平成17年度上期未踏ソフトウェア創造事業千葉滋PM採択案件サマリ†
平成17年度上期未踏ソフトウェア創造事業にて、千葉滋PMが採択した各案件についてのサマリを以下に記載する。
「Ruby言語による生物化学情報基盤ライブラリの開発」†
- 開発概要
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ヒトゲノムの解読には、開発が迅速でテキスト処理に強いPerlなどのスクリプト言語の貢献が大きかったといわれています。一方で、ポストゲノム時代の解析では、ゲノムだけでなく遺伝子発現や生体内化合物など、複雑な構造をもつ様々なデータを同時に扱う必要があり、これにはオブジェクト指向言語が適しています。我々はこれら2つの特徴を併せ持つ国産のRuby言語を用いて、ゲノム情報を生かした創薬などこれからの時代を担うオープンソースライブラリとしてBioRubyとChemRubyを開発しました。
- IPA 採択案件概要ページ
- http://www.ipa.go.jp/jinzai/esp/2005mito1/gaiyou/10-26.html
- プロジェクトサイト
- http://bioruby.org
http://chemruby.org - 発表資料
- http://bioruby.org/archive/doc/Japanese/BR060224-ipa.pdf
「ユーザ主導型 Web アプリケーション作成ツールの開発」†
- 開発概要
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本プロジェクトでは「HTML タグを知らない人でも、DB と連動する Web アプリケーションを簡単に作成できること」を目的とし、「Tuigwaa」というツールを開発しました。Tuigwaa ではBlogやCMSが対象としている「コンテンツ」と、Webデータベースが対象とする「データ」、及びそれらの連携による「フロー」といった要素を含む、Webアプリケーション作成をWeb上から行う事が可能です。本発表において、実用的な Webアプリケーションを Tuigwaa を利用してどのように作成するかのデモをご覧頂きます。
- IPA 採択案件概要ページ
- http://www.ipa.go.jp/jinzai/esp/2005mito1/gaiyou/10-6.html
- プロジェクトサイト
- http://tuigwaa.sandbox.seasar.org/
- 発表資料
- http://tuigwaa.sandbox.seasar.org/archive/docs/tgw20060224_mitou.pdf
「オブジェクト指向スクリプト言語Rubyの処理系の刷新」†
- 開発概要
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オブジェクト指向スクリプト言語Rubyはその使いやすさから世界中で広く利用されていますが、現在のRubyの処理系はいわゆるバイトコード(命令実行型)インタプリタではなく、実行速度などに問題がありました。そこで、本プロジェクトではRuby用命令実行型インタプリタであるYARV:Yet Another RubyVMを現在のRuby処理系と統合します。さらに処理系のネイティブスレッド対応、Multi-VMインスタンスなどの新機能を追加します。本プロジェクトではRuby処理系を刷新し、次期公式処理系であるRuby2.0に採用され、世界中で利用されることを最終目的としています。
- IPA 採択案件概要ページ
- http://www.ipa.go.jp/jinzai/esp/2005mito1/gaiyou/10-17.html
- プロジェクトサイト
- http://www.atdot.net/yarv/
- 発表資料
- (公開サイト未定)
「JavaServer Templates 「Maya」の開発と世界発信」 †
- 開発概要
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Mayaa をひとことで表すと、Java製の「HTML をテンプレートとして使う Webテンプレートエンジン」です。フレームワークとしての機能やページフローを扱う機能はなく、JSP を前提とするミドルウェア (Apache Struts など) と組み合わせて使うことを想定しています。Mayaa が目指すのは、Web デザイナとプログラマの協業を助けるべくデザインとロジックを分離すること、ミドルウェアやJSP カスタムタグライブラリ等の既存資産を有効活用することです。本プロジェクトでは、ソフトウェアとしての完成度を高める開発を行うのと同時に、ドキュメントの充実やWEBサイトの充実および英語翻訳を行いました。
- IPA 採択案件概要ページ
- http://www.ipa.go.jp/jinzai/esp/2005mito1/gaiyou/10-13.html
- プロジェクトサイト
- http://mayaa.seasar.org
- 発表資料
- (公開サイト未定)
成果報告会†
採択プロジェクトについて以下の日時で成果報告会を一般公開にて行った。
- 主催
- 千葉滋
- 協賛
- 株式会社 電通国際情報サービス
株式会社 ネットワーク応用通信研究所
特定非営利活動法人 Seasarファウンデーション
サンマイクロシステムズ株式会社 - 開催日
- 2006年02月24日(金) 10:00 - 17:30
- 場所
- 株式会社 電通国際情報サービス
品川本社ホール
またこの報告会の模様が以下の日経BPのサイトにてレポートが掲載された。